人とつながる習慣──心がほぐれる、たった一言

「最近、人と話したのはいつだろう」──そんなふうにふと思ったことはありませんか?
現代は、便利になったはずなのに、人と人とのつながりは以前よりも希薄になっているように感じます。とくに高齢になると、仕事や子育てといった役割から離れ、人と話す機会が減ってしまいがちです。

しかし、心と体の健康のために「人とつながる」ことは、非常に大切です。
貝原益軒も『養生訓』の中で、「人と交わり、よく語り、笑うことは、気をめぐらし、心を安らかにす」意訳 香月恭弘 と語っています。つまり、誰かと話し、笑い合うことで、私たちの気分は晴れ、心も穏やかになるのです。

私自身、うつ病を経験したとき、誰かと何気ない会話をすることが、どれだけ心を救ってくれるかを身をもって知りました。「ただ、話を聴いてくれる人がいる」──それだけで、どれほど心が軽くなるか計り知れません。

「清活習慣」では、人とのつながりも大切な柱の一つです。
たとえば──
・顔を合わせた人に、明るく「おはよう」と声をかける
・郵便や配達の人に「ありがとう」とひと言添える
・ふと思い出した友人に電話をかけてみる
・地域の行事やサークルに、少しだけ顔を出してみる

こうした一つひとつが、「心の扉」を静かに開いてくれます。
大事なのは、深い話をすることではありません。
短い言葉、たったひと言のやりとりでも、私たちはつながることができます。

人とのつながりは、薬ではありません。けれど、確実に「効く」ものです。
話すことで、笑うことで、私たちは気を循環させ、生きる力を取り戻していきます。