怒らない習慣

怒らない習慣が、人生を変える──『清活習慣』のすすめ
最近、怒りっぽくなったと感じることはありませんか?
家庭で、職場で、あるいは日常のちょっとした出来事にイライラしてしまう。そんな自分に、あとで自己嫌悪を覚える――。実はこれ、年齢や立場にかかわらず、誰にでも起こる「こころの疲れ」のサインではないでしょうか。
私は、かつてうつ病を経験し、人生の歩みをいったん止めざるを得なくなりました。その後、立ち直るきっかけとなったのが、江戸時代の学者・貝原益軒が書いた『養生訓』との出会いです。とくに、そこに記された「怒らぬことの効果」は私の生き方を変えました。
怒りは、一瞬で自分を支配し、周囲との関係を壊してしまう強い感情です。しかし、それを「習慣」として手放していくことで、驚くほど心が軽くなるのです。私はこの心と身体のリセットする習慣を「清活(せいかつ)習慣」と名づけました。
清活とは、怒りや不安といった濁った感情を手放し、心を「清らかに」保ちながら、毎日を「活き活き」と暮らすこと。特別な努力はいりません。朝、深呼吸をする。誰かに感謝の言葉をかける。イライラしそうなときは、あえて一歩引いて「今、怒る必要があるだろうか」と心に問いかけてみる。それだけで、人生の風向きが変わります。
今、私はこの「清活習慣」を、地域の講演や動画配信を通じてお伝えしています。怒らないことは、決して「我慢」することではありません。「切り替える力」を身につけることです。そしてそれは、心の健康だけでなく、人間関係や人生の質そのものを豊かにしてくれます。