「ためこまない習慣」

皆さんは、日々の暮らしの中で「心にモヤモヤがたまっているな」と感じることはありませんか? 人間関係のトラブルや仕事のストレス、ちょっとした不安や悩みが積み重なると、知らず知らずのうちに心も体も重くなってしまいます。

『養生訓』にも、心にためこむことの害について多くの記述があります。感情や思いを溜め込むと、気の流れが滞り、身体の不調や心の不安定を招くと説かれています。つまり、心の中の「滞り」を作らないことが健康の秘訣なのです。

そこで大切なのが、「ためこまない習慣」を身につけること。これは特別なことではなく、日常生活でできる小さな心がけです。たとえば、感じたことをため込まずに信頼できる人に話す、深呼吸や軽い運動で心身をリセットする、感謝の気持ちを意識的に持つなどが挙げられます。

また、イライラや不安がこみ上げてきたときは、一旦立ち止まり「この気持ちをため込んでいいのか?」と自問してみることも有効です。そうすることで感情の波に飲み込まれず、冷静に対処できるようになります。

私自身、うつ病を経験した際に、この「ためこまない習慣」が心身の回復に大きく役立ちました。今では「清活習慣」の一環として、怒りを抑えることと並び、ためこまないことの重要性を多くの方に伝えています。