休む習慣──「何もしない」が心と体を整える

「最近、ちゃんと休めていますか?」

私たちはつい、「何かをしないといけない」と思い込みがちです。家事に、仕事に、用事に追われ、「休むこと」がいつのまにか後回しになっていませんか?

しかし、身体も心も、動き続けていては長くもちません。ときには「立ち止まること」こそが、健康と元気の源になるのです。

『養生訓』にも、「静をもって動を養う」意訳 香月恭弘

つまり、心身を健やかに保つには、静かに休むことが欠かせない、ということです。休みをとらずに頑張りすぎれば、かえって命を縮めてしまうと戒めています。

私自身、うつ病で倒れたとき、「頑張る」ことにばかり意識を向けてきた自分に気づかされました。心と体を休ませる方法を知らなかったのです。

その後、『養生訓』の言葉に出会い、「休むことは生きること」と受け止めるようになりました。休む時間を確保することで、心に余裕が生まれ、自分らしさを取り戻せたのです。

清活習慣における「休む」とは、単に眠ることだけではありません。

夕方のひとときに、湯をわかしてお茶を飲む

スマホを手放し、庭や空をぼんやり眺める

好きな音楽をかけて、ただ目を閉じる

「何もしない時間」は、心と体の深呼吸のようなものです。そこに罪悪感を持つ必要はまったくありません。

休むことは、怠けることではなく、自分を整える知恵です。
「今日は少し、何もしない日」と決めてみるだけで、明日の元気が生まれます。