笑う習慣──笑顔は心と体のくすり

「笑いは百薬の長」と昔から言われます。
笑うことは、薬以上に身体に良いという意味ですが、これは単なることわざではありません。
実際に、笑うことで免疫力が高まり、ストレスがやわらぎ、血流も良くなることが医学的にもわかってきました。
私がうつ病を患っていた頃、何を見ても笑えなくなっていました。
テレビのバラエティ番組を見ても、まわりの冗談にも、反応できない。
「笑うって、こんなに難しかったんだ」と気づかされました。
でもある時、リハビリの一環として、無理にでも笑顔を作る訓練をしてみたんです。
口角を上げて、「ハハハ」と声に出して笑う練習。
最初はこわばった顔でしたが、何度も続けていくうちに、だんだんと自然に笑えるようになりました。
「笑うふり」が、いつしか「本当の笑い」になっていったのです。
養生訓にはこうあります。
「気を和らげ、心を楽しませることは、病を遠ざける良薬なり」意訳 香月恭弘
この言葉に、私は深くうなずきました。
心の緊張をほぐす笑いは、まさに養生の根本なのです。
私たちは年を重ねるほど、表情が硬くなりがちです。
でも、だからこそ「笑う習慣」を意識したいと思います。
テレビで笑ってもいい、家族と冗談を言い合ってもいい。
ときには、自分の失敗を笑い飛ばすのもいいでしょう。
大切なのは、「笑うきっかけ」を自分で見つけることです。
そして、たとえ作り笑いでも、まずは笑顔になること。
それだけで、体も心もふわっと軽くなります。
笑いは人と人をつなぐ魔法でもあります。
今日一日、ひとつでも笑える瞬間を。
それが、清く活きる「清活習慣」の力になります。