休む習慣──がんばらない勇気が心と体を整える

「もっと頑張らなければ」
「みんなに迷惑をかけられない」
「休むなんて甘えだ」
そんなふうに、休むことに罪悪感を抱いていませんか? かつての私もそうでした。真面目に働き、責任を果たすことが何よりも大切だと思っていたのです。しかし、心と体には「限界」があるということを、私はうつ病を通して学びました。
心と体は、動き続けるだけでは保てません。実は、「休むこと」こそが、日々を元気に生きるための大切な柱なのです。
江戸時代の養生家・貝原益軒も『養生訓』の中で、「心を労り、身をやすめることが、長く生きる道である」意訳 香月恭弘 と説いています。昼と夜、動と静、緊張と弛緩――このバランスが崩れると、私たちの体と心はすぐに悲鳴をあげます。
「清活習慣」における「休む」とは、ただ寝ることだけではありません。
・ゆっくりお茶を飲む
・自然の風にあたる
・何もしない時間をつくる
・スマートフォンを手放す
こうした小さな「間」を、意識的に生活の中に取り入れることです。忙しさの中で、立ち止まる勇気を持つ。それが「休む習慣」です。
一番いけないのは、「疲れていることに気づかない」ことです。無理を続けてしまい、心が重くなる。やがて、笑顔も消えてしまう。そんなときこそ、思い切って休むことが、自分も周りも守る行動です。
私自身、週に一度は「予定を入れない日」をつくるようにしています。その日は、散歩をしてもいいし、昼寝をしてもいい。自分を責めず、心と体の声に耳を傾ける一日にするのです。
「休むこと」は、自分を甘やかすことではありません。
「自分を大切にする」ことです。
そして、自分を大切にできる人だけが、他人も本当の意味で思いやれるのだと、私は今、確信しています。