眠りの習慣──よい眠りが、よい一日をつくる

最近、「なかなか寝つけない」「夜中に目が覚めてしまう」──そんな声をよく耳にします。
眠りに悩む人が増えているのは、決して年齢だけのせいではありません。心の疲れや、生活のリズムの乱れも、大きく影響しています。
江戸時代の貝原益軒は『養生訓』にこう記しています。
「眠るは、身を養うの肝要なり。」意訳 香月恭弘
つまり、「眠りは、体を養うために欠かせないものであり、眠らなければ心も体も乱れて病気になる」と述べているのです。
私自身、うつ病を経験したとき、眠れない夜が何よりつらく感じました。逆に言えば、眠れるようになったとき、ようやく心が回復に向かっていると実感できました。眠りは「「心の未病の気づき」の第一歩なのです。
「清活習慣」の中でも、眠りを大切にしています。眠りは、心と体のリセットボタン。けれど、その質は「寝る前の習慣」によって大きく左右されます。
たとえば──
・寝る前1時間はスマホやテレビを避け、静かな時間を過ごす
・ぬるめのお風呂にゆっくり入って、体をゆるめる
・心を落ち着ける呼吸をして、今日一日をふり返る
・「ありがとう」と口にして、感謝の気持ちで一日を終える
これらはすべて、すぐに実践できる「眠る準備」です。
眠りは努力して得るものではなく、「整える」ことで自然と訪れるもの。だからこそ、日中の過ごし方、心の持ち方も大切なのです。
眠りが変われば、朝が変わります。
朝が変われば、一日が変わります。
そして一日一日の積み重ねが、人生を変えていきます。