休む習慣──「休むこと」も立派な生き方

現代は、「がんばる」ことが美徳とされがちです。
しかし、がんばり続けるだけでは、心も体もすり減ってしまいます。
「よく休むこと」もまた、人生を長く、健やかに生きるために欠かせない習慣です。
養生訓には、「人は労を惜しまず、しかれどもつかれては休むべし」とあります。
つまり、働くことや動くことは大切ですが、疲れたら迷わず休む。これが健やかに生きるための知恵なのです。
私がうつを経験した時、最もできなかったことが「休むこと」でした。
自分が休むと誰かに迷惑がかかる、自分だけ怠けていると責められる――そんな思い込みが、私をさらに追いつめました。
でもあるとき、友人にこう言われたのです。
「香月さん、人間は機械じゃないんだよ。止まる時間があるから、また動き出せるのではないかな」と。
その言葉をきっかけに、「何もしない時間」を自分に許すようになりました。
休むというのは、ただ横になることではありません。
自分の気持ちを緩める時間、自然の中で深呼吸する時間、好きな音楽を聴く時間――
それらすべてが「休む」という行為です。
人生は長い旅路です。
ときには立ち止まり、景色を眺め、深呼吸する時間が必要です。
それこそが、次の一歩を元気に踏み出す力になるのです。
休むことは、サボることではありません。
「自分をいたわる生き方」なのです。